転職活動の「軸を決める」って何すればいいの?(前編)

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転職関係のサイトや本を見ていると、「まず転職の『軸』を決めましょう」なんてよく書かれていますよね。

でも初めての転職だと

転職の軸って何? どうやって決めるの? 自分探しの旅?

なんて戸惑っちゃうかもしれません。

そこでこの記事では、私の転職経験や読んできた転職本から学んだことをもとに、転職の「軸を決める」ために「何を」「どこまで」やればいいのかをお伝えします。

「転職の軸」の定義は書き手によってバラバラですが、「この転職で絶対に達成したいこと」や「自分が仕事で一貫して大事にしたいこと」なんかがその例です。

多くの転職サイトでは、「軸をしっかり決めてから転職活動を始めよう」と言っています。

それは確かにその通りで、これがないと「内定もらったけど、なんでここに決めたんだっけ?」なんて迷うことになりかねません。

でも、この「軸探し」、意外と難しいんですよ。

例えば、「今回の転職の軸は年収を〇〇円アップさせること!」と決めたとします。

年収アップは魅力的ですが、いざその条件に合った会社を見つけたとしても、その会社の評判が悪かったり、残業が多かったりしたらどうでしょう?

いくら年収が上がっても、長時間労働でプライベートがなくなったり、職場の雰囲気が悪かったりすると、「こんなはずじゃなかった…」と感じてしまうかもしれません。

そう考えると、一つのポイントに固執するよりも、転職活動を成功させるための複数の「チェックポイント」を設定する方が現実的だと思いませんか?

つまり、「軸を決める」というのは、転職先を選ぶときに確認すべき「チェックポイント」を設定することだと考えてみましょう。

「軸」というと、「これだけは譲れない、たったひとつのポイント」というイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそうじゃありません。

特に、若い頃は年収アップややりたい仕事にフォーカスして突き進んでもなんとかなることが多いかもしれません。

でも、アラフォーになってくると、年収や仕事の内容だけじゃなく、ワークライフバランスや会社の安定性、職場の雰囲気など、気にするべき要素が増えてきます。

実際、転職で「幸福度が上がる」かどうかは、いろんな要素に左右されます。

科学的な研究でも、幸福度に影響を与える仕事の要素がいくつか特定されているようですが、それをすべて転職活動に取り入れるのは難しいですし、実際には入ってみないと分からない部分も多いです。

そこで私がおすすめしたいのが、多くの人に共通して「幸福度アップ」につながる「チェックポイントのテンプレート」を活用することです。

この「チェックポイント」をもとに、自分の価値観や状況に合った転職の軸を設定すれば、転職活動がもっと効果的になるはずです。

私が紹介する「転職の軸」=「チェックポイント」は大きく3つあります。

  • ハード面(給与・企業の規模など)
  • ソフト面(企業風土や風通し)
  • 自分のキャリアとの一貫性

「ハード面」は「年収」「福利厚生」「勤務地」「会社の規模・安定性」といった、比較的数字で測れるもの。

一方、「ソフト面」は「企業文化」「風通しの良さ」「評価制度の仕組み」「ビジョンの明確さ」といった、ちょっと定性的なもの。

そして「一貫性」は、これまでのキャリアと親和性があるかどうか、つまり今まで積み上げてきたものを活かせるかどうか、というポイントです。

給料や福利厚生といった「ハード面」は皆さん気にするかと思いますが、「ソフト面」は意外と見落としがちだったり、どう判断すればいいか分からないことも多いのではないでしょうか。

また、「一貫性」については、これがないと面接を通過するのが難しいので、しっかりと考えておく必要があります。

まずは前編として「ハード面」についての「チェックポイントのテンプレート」を説明します。

チェックポイント① 給与

これはシンプルですね。

「今回の転職で年収いくら欲しいの?」ってことです。

これは面接で聞かれることもあれば、エージェント経由で伝えることもあります。

その場合は、はっきりと「年収〇〇万円以上を希望します」と伝えましょう。

求人票では500万円~1000万円というようにかなり幅を持って書かれていることも多いですが

面接までたどり着いたのであれば、思い切って上限近くを希望することを勧めます。

転職エージェントに聞くと、「あなたのモデル年収は○○円です」という風に教えてくれますが、それをそのまま鵜呑みにするのはやめましょう。

転職エージェントは、転職が成立して初めて報酬をもらえるため、成功しやすい平均的な給与水準を伝えてくることが多いです。

今と比べて年収が高くなるならばそれでも良いのですが、私としてはもっと自分の価値を高くアピールしていいと思います。

「給料が少なくても、この会社で働きたい!」とか、「今の仕事をすぐに辞めたい!」という強い理由がない限り、現職より年収が下がる転職はオススメしません。

「職務内容で仕事を選ぶ」もっと言うと「好きなことを仕事にする」というのは良いことに見えますが、実は満足いかない結果につながることも多いです。

理由はどんな仕事にも人が羨むキラキラした一面もある一方で、面倒くさい人間関係や調整、泥臭い業務が必ずあるからです。

その結果、「こんなはずじゃなかった…」と理想と現実のギャップに悩むことになるかもしれません。

  • 年収〇〇万円以上

チェックポイント② 残業時間

ふたつめのチェックポイントは残業時間です。

どんなに給与が良い仕事であっても「今日も終電ギリギリだよ〜」「今度の土曜日も仕事だ〜」なんてのは嫌ですよね

ちなみに、私は最初の会社はかなりブラックだったので、まさにこんな状況でした。

しかも、みなし残業制だったので、どれだけ残業しても、休日出勤しても、給与は変わりませんでした。

今では考えられないことですが、「周りもこんな感じだし、働くってこういうものなんだろう」と当時は思っていました。

完全に感覚がマヒしていしたね。

求人票にも書いてあることがありますが、そうでなければ面接時に平均残業時間を聞いてみましょう。

「家族がいるので仕事と生活はメリハリを付けたいのですが、同じポジションの方の平均残業時間はどれくらいでしょうか?」といった感じです。

その際「私は絶対残業したくありません!」って断言すると面接での印象が良くないので、ある程度柔軟な姿勢は示しましょう。

もし「残業もできますか?」と聞かれたら、こう答えると良いでしょう。

「効率化を図り、無駄な残業を減らしたいと考えていますが、プロジェクトの繁忙期には、チームと協力して全力を尽くします。」

みたいな感じで回答すれば、協調性は示しつつも、基本は残業は少なくしたいという姿勢を示せます。

  • 平均残業時間は月〇〇以下
  • 完全週休2日制

チェックポイント①+② 時間単価

次のチェックポイントは、①給与と②残業時間を組み合わせた「時間単価」という考え方です。

「自分は働く時間あたり、どれだけの価値を生み出せるか」という指標ですね。

例えば、もともと月40時間程度残業をしていたのが、同じ収入で月20時間の残業時間になった場合、実質的に給与ががアップしたと言えます。

相対的にあなたの時間あたりの価値が上がっていることになるので非常に良い転職だと言えます。

空いた時間で自己投資をしてさらに収入アップを狙うもよし、心が豊かになる趣味に没頭するもよし、確実にあなたの幸福度はアップするでしょう。

逆に年収が少し上がる代わりに大幅に残業が増えるパターンはオススメできません。

時間は誰にとっても限られているので、時間あたりに生み出せる価値を大切にしましょう。

[時間単価] = [年収] ÷ [年間の総労働時間]

[年間の総労働時間] =(*[一日の労働時間] × [月所定労働日数]) + [月平均残業時間]} × 12

*本当は通勤時間なども考慮した総拘束時間にした方が精度が上がります。

「毎日通勤に往復4時間もかかる」とかだと折角のあなたの時間の価値が下がってしまいます。

そういった意味でもリモートワークが活用できる会社は魅力的です。

  • 時間単価が上がるか

チェックポイント③ 会社の安定性

チェックポイント「ハード編」最後は会社の安定性です。

「長い目でイケてる会社」を探しましょう。

転職したのはいいものの

「イケイケの会社だったのに、最近業績が悪くてなんだか雰囲気が悪い…」

「良いときの業績しか見てなかったけど、良い時期と悪い時期の差が激しくて安心して働けない…」

そんな会社に転職してしまうのは避けたいですよね。

もしあなたに家庭があったりしたら、さらにそういったリスクには敏感になりますよね。

特にアラフォーの転職だとどうしても次の転職機会が限られるため、慎重に選ぶ必要があります。

さて会社の安定性の調べ方ですが、直近の業績は、検索すれば簡単に見つかるでしょう。

ですがそれだけでは十分な情報とは言えません。

最低でも10年以上の業績を確認して「長い目でイケてる会社か」を調べたほうが良いです。

そうすれば「入社したらすぐに業績悪化…再転職を考えないと…」といった事故は防げます。

調べ方としては「IRバンク」がオススメです。

これは投資家向けのデータベースなんですが、上場企業であればここを見れば一発で「長い目でイケてる会社か」がわかります。

投資情報で比較するメリットとしては

  • 時間軸での比較がしやすい
  • 会社間の比較がしやすい
  • 嘘をつけない(粉飾決算というレアケースはあります…)

IRバンクでチェックすべきポイントは次の通りです。

  • 「売上(収益)」…右肩上がりかどうか
     少なくとも右肩下がりの斜陽産業ではないか
  • 「営業利益率」…5%以上かどうか
     高いほど収益性の高い効率の良い経営ができているということ
  • 「自己資本比率」…40%以上かどうか
     20%以下は避けるのが無難

*自己資本比率は業界によって全然異なることがあるので、同じ業界内で比べてみることが大事です。

まとめ

「転職の軸」を決める前編として数値で測りやすい「ハード面」を紹介しました。

このチェックポイントを守れば、ひとまず「こんなはずじゃなかった〜、大失敗だ〜(泣)」という事態は防げます。

後編ではソフト編としてあなたの仕事をより幸福度を高めるには何をチェックすべきか?を解説します。

「年収とか残業とかその辺はもちろん気にしているよ、でもそれ以外に何をチェックしたらいいの?」

こういった疑問にお答えできると思います。お楽しみに!

それじゃーまた!

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